LASIK術前術後に眼位検査とサイプレジンでの潜伏遠視の検査をしてほしい

元一部上場企業のOLがレーシック後遺症で失職、視覚障がい者になるブログです

白内障多焦点レンズ手術に見る屈折矯正医の患者に対する考え方

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日本眼科医会2016年度資料より
http://www.google.co.jp/url?q=http://www.gankaikai.or.jp/press/20160224_1.pdf&sa=U&ved=0ahUKEwiKzMCxgZnTAhXBohQKHQOUDE84ChAWCCYwBw&sig2=39F4DakdzV382i454K4otw&usg=AFQjCNG14IaanxkWj_tvKre7RvCydtqZOQ

今日は老眼治療について書きます。


レーシック(若者対象)がその被害報告のせいで下火になったせいか、屈折矯正手術で儲けようとする医者たちは、老眼治療にシフトする傾向に有ります。


そのような理由で、レーシック被害者の会=レーシックをはじめとする屈折矯正手術被害者の会には、老眼治療被害の患者さんも訪れます。


今日はそんな「老眼治療」の中でも最有力候補の多焦点眼内レンズ(現時点で自由診療についてやります。


より正確に書けば、多焦点眼内レンズで儲けようとしている医者たちが、一体患者をどのように考えているかということを書こうと思います。


その前置きとして、
以前もてはやされていた「アキュフォーカス(レーシックカメラや、リーディングアイとも呼ばれる)」について少し書いておきます。


多焦点レンズの前にアキュフォーカスが「画期的な老眼治療!」と宣伝され、
慶応大学の坪田教授や元品川近視クリニックで今は富田実アイクリニックの富田実先生にガンガンに押されていた時代、

この被害者さんが結構やってきたんです。


このアキュフォーカスは、
穴の開いた黒いフィルム上のインレーを角膜に挟み込むことでピンホールカメラの原理で視界深度が深くなり近くも遠くもよく見える!という宣伝でした。


アキュフォーカスインレーを挿入した場合の見え方ですが、
遠視の人にはそれなりの見え方が得られる印象ですが、
近視の人はインレーによって光の入る量が少なくなるため全体的に見え方が暗くなり、近視眼者には術前の見え方のほうがまだマシという印象を受けました
(実際アキュフォーカスの論文での実験結果にも近視眼のほうが満足度が低いと書いてある)。


なのに、近視眼にアキュフォーカスを勧められ、被害者の会に来て、見え方の劣悪さを訴えてこられたりしていました。


それと、この手術は受けた場合に見え方が暗くなるので、夜間運転ができなくなる場合が有りますが、患者さんはその説明もされていませんでした。


更に問題なのはアキュフォーカス眼の角膜の炎症です。
角膜に異物が挿入されるのですから炎症の発生はクリニックでもある程度予測していたようなんですが、アキュフォーカスを挿入した後の炎症で、角膜自体がダメになると、メガネやコンタクトを使っても視力が出なくなってしまうんですよね。
角膜自体が濁ってたり、凸凹になっていたら、メガネをかけてもコンタクトをしてもどう仕様もありませんので。


こうしてアキュフォーカスにより角膜をダメにされてしまった患者の一人は、一人は東京新聞にインタビュー掲載してくださったりしました。

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そんなわけでアキュフォーカスは
「眼科医が誰も自分にやろうとしない新治療は、誰もやらないほうがいい」ということを嫌というほど心に刻みつけてくれた「有料治験」でした。


※有料治験
このブログで作成した造語で、
安全で効果がある新治療のように宣伝されているが、実際は症例数が少なく、眼科医がどうにも出来ないデメリットが噴出する恐れがある「治験」のような段階の治療を指す。
「治験」段階の治療を、自由診療ということで高額な費用を払って受けるのが「有料治験」。


一部のクリニックでは、尋ねた時に「予測性が不確か」と言いながらもメニューに乗せていたりするので、そういうクリニックは選ばないほうが無難です。
術後、角膜がダメになるかも知れなかったり、何より、「予測性が悪」く、視力の改善が期待できないかもしれないとか施術クリニックで止められるような不完全治療だったら、そもそも「治療」として大々的にメニューに載せるのはおかしいです。


ちなみにこのアキュフォーカスをガン押ししてた富田実先生は、先日のフジテレビで今度は「プレスビーマックス」という更に人体実験度が高い治療法で名医のように出演されてたので、このブログで記事を書いてます。
「老眼治療(という名前の有料治験)」に興味のある方は、読んで見られるといいかもしれませんね。


それと、
これが屈折矯正手術推進派の先生方の根性のすごいところですが、

最近はアキュフォーカスを盛んに宣伝していた先生のクリニックに言ってアキュフォーカスについて尋ねると
「予測性が低い」
「他の病院で手術したのをうちで抜去している」
とクリニックから止められます。
これを聞いたアキュフォーカスの被害者さんは、「私はモルモットだったのか」と非常に怒っておられました。


さて、前置きが長くなりました。


そんな終了しようとしているアキュフォーカスや、その他の「不確実性の高い」老眼治療群に代わり、眼科のドル箱として期待されているのが、白内障手術後に入れる「多焦点眼内レンズ」です。


この多焦点レンズなのですが、
残念ながら現時点であまり完全なものではないらしく、こんな記事がでていました。


「期待と違う」不満も/白内障手 術で普及 多焦点眼内レンズ | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS


この記事には、単焦点レンズと比較した、多焦点レンズのデメリットが掲載されています。
なかなか良い記事だと思うので、一部抜粋しますね。

まずは単焦点レンズの説明から。

<細かい調節可能>

 眼内レンズには「単焦点」と「多焦点」があり、単焦点は文字通り、焦点が1点に固定される。焦点が合わないところを見る際には、眼鏡を使うことになる。

「ピントを変えられないカメラみたいなもの。どこに合わせるかは元々の生活習慣に合わせて選択するのが普通です」と日本医科大病院(東京都文京区)の眼科部長、高橋浩教授は説明する。

「本を読みたい人なら30~40センチ先、楽譜が読みたい人はもう少し離れたところが見えるようにといった具合に、手術前に計算してかなり細かく調節することができます」
http://sp.kahoku.co.jp/special/spe1140/20160601_02.html

単焦点レンズは、焦点距離が決まっていて、一点はくっきりはっきり見えるけど、それ以外の距離はぼやけちゃうというレンズです。
ですから、近くに合わせれば運転など遠くを見る際にはメガネが必須。
遠くに合わせれば、読書やPCなど近距離作業の場合メガネが必須。
要するに絶対メガネが必要な生活になるんです。


ちなみに、この記事を書いている自分(過矯正のレーシック被害者で、削りすぎによるコントラスト低下も著しい)は、
白内障手術では、焦点距離30−40センチに合わせた単焦点希望です。これ以上コントラストが低下したら、夜間どころか昼間の運転もできなくなっちゃいますからね。


これに対して、多焦点レンズはどうでしょう?
「メガネを使用する頻度が少なくなる!!」と屈折矯正医からは宣伝されているのですが...

<保険適用されず>
 これに対し、多焦点眼内レンズには二つないし三つの焦点がある。遠いところ、近いところなど複数の距離にピントが合うようになるのだが、「いくつか注意点がある」(高橋教授)という。


まず、レンズがまだまだ発展途上にあり、夜に車のライトがにじんで見えたり、コントラストが低下したりと、クリアさに欠ける面がある。


どこでも見えるようになるわけではなく、慣れるまで時間がかかる。さらに、単焦点眼内レンズと違って公的医療保険は適用されず、自己負担が30万~50万円となる。


こうした点を理解した上で手術を受けた52件の事例を調べたところ、視力回復は良好だったものの満足度が低いため、結局、単焦点眼内レンズに交換した例が3件あったという報告もある。

高橋教授は「大多数の患者さんは結果に満足しているが、不満を抱く人の割合は単焦点に比べると明らかに大きい。お金がかかり、期待度も高い割には効果がいまひとつで、不満につながりやすくなっている」と指摘す
http://sp.kahoku.co.jp/special/spe1140/20160601_02.html

そういうことなんですね。
要するに、焦点を3つにするわけだから、当然コントラスト感度が下がります。夜間運転は可能なのかどうか、お医者さんによく聞いたほうがいいですよね。

冒頭に上げた、2016年度の日本眼科医会の資料の一部抜粋をもう一度載せておきますね。
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日本眼科医会2016年度資料より
http://www.google.co.jp/url?q=http://www.gankaikai.or.jp/press/20160224_1.pdf&sa=U&ved=0ahUKEwiKzMCxgZnTAhXBohQKHQOUDE84ChAWCCYwBw&sig2=39F4DakdzV382i454K4otw&usg=AFQjCNG14IaanxkWj_tvKre7RvCydtqZOQ
ちなみに多焦点レンズの交換率(当たり前だけど、不満だから交換する)は、単焦点のそれよりずっと高いそうです。


「老眼治療」と言われて多焦点眼内レンズを勧められ、手術に踏み切る前に
まずは遠近両用コンタクトレンズで試して(まんまではないが、近い見え方にはなる)、本当にそれで近くも遠くもよく見えて満足するか試されてみるのがいいのではないかと思います。
最初の手術と違って、摘出手術のほうが大掛かりになりますから。


こんな多焦点レンズなのですが、私が驚愕したのは、白内障用の多焦点眼内レンズに関わるお医者さんの学会ポスター関してです。


はっきり言って
「こんなポスター見たこと無い」
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字が細かいので一体なんて書いてあるのか拡大したものを貼り付けておきますね。

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グーグルでこのポスターを検索した時の表示です。


この講演会では以下の質問に答えてくれていたようです。


術前に多焦点眼内レンズのことを沢山調べてメモ帳一杯に質問を書いてくる症例は術後 不満例となりやすいのか?などです。

このポスターですが、
前にも記事で書いた日本白内障屈折矯正手術学会の理事をされているビッセン宮島先生のお顔が大きく載ってるのが泣かせますよね。


術前に多焦点レンズのことを目一杯に調べてメモ帳いっぱいに質問を書いてくる例は不満例となりやすい


当たり前ではないでしょうか?
そもそも屈折矯正手術やアキュフォーカスなどで今までさんざっぱら被害報告が有り、事故情報データバンクも199件だから、
「術式選びや病院選びを間違えてレーシック難民みたいなことにはなりたくない」
と思ってる患者さんも当然いらっしゃるでしょう。


多焦点は新しい技術なので、まだそんなに体験談がたくさん出てきていないということも有ります。
レーシックみたいに、クラウドワークスやランサーズでお金払って「成功体験談のみ募集です」と募集して書かせた体験談じゃなくて、「あくまで無給で自分がどんな状態なのか知らせたいという公益のために書いてくれている貴重な体験談は少ない」ということです。


それに、
通勤で運転される方は夜間も運転できるかが命取りだし、仕事で手元の紙資料を見たり2.3メートル先の電光掲示板を見たりすることを交互にしないといけないような職業の方は、それが本当に出来なければ困るので、そりゃ質問をびっしり書いてくるでしょう。


なのに、眼内レンズの現状は、前の記事( 2016年6月の記事 )によれば以下のようなものです。


まず、レンズがまだまだ発展途上にあり、夜に車のライトがにじんで見えたり、コントラストが低下したりと、クリアさに欠ける面がある。


どこでも見えるようになるわけではなく、慣れるまで時間がかかる。さらに、単焦点眼内レンズと違って公的医療保険は適用されず、自己負担が30万~50万円となる。


http://sp.kahoku.co.jp/special/spe1140/20160601_02.html

こんなレベルじゃ不満が多くなっても仕方がないでしょ?
近くははっきり見えていた近視の人の場合、「確かに見える、むしろ術前よりぼやっとしか見えない」という人もいるでしょう。


そんな感じで、屈折矯正の業界は、「もっとよく見えるようになったら便利だろうなぁ」と思っている患者さんに関してはこんな感じで考えているみたいです。


レーシックなどの屈折矯正手術や「老眼治療」をそれでも受けたい人は、業界の体質をよくよくご理解されてから受けられるのがいいのではないと思います。