レーシックのカルテの読み方①
今日はレーシックのカルテの読み方について解説します。
と言ってもすでにインターネット上に記事はたくさん落ちています。私が新たに記事を書くのは蛇足な気もするのですが、一応カルテを見ながら自分では当初わからなかった部分を書いていきたいと思います。
■カルテの項目:手術当日の記録
今回取り上げるのは、レーシックの手術の当日の記録です。
ここには以下の項目が記載されているはずです。
①パキ
もともとの角膜の厚みを記載した数字が書いてあります。単位はミクロンです。
一般的に520~540μ程度であると言われています。
②フラップ
角膜を削る際に作成する「ふた」のような部分です。これも単位はミクロンで表されます。
マイクロケラトームによる手術の場合は100-160ミクロン、イントラレーザーによる手術の場合は100ミクロンほどの厚さになっているはずです。
③ベッド
フラップを除いた角膜の削られていない部分を指します。この部分は国際基準では250ミクロンは残すことが望ましいとされています。
250ミクロン残っていない人は病院に事前に理由を説明してもらっているでしょうか?また、円錐角膜の危険もこの数値が低ければ低いほど高まるので、トポグラフィーの撮れる眼科で一度確認してもらったほうが良いかもしれません。
④S・C・AX
・S=Spherical 球面度数 近視や遠視の度数
近視であればマイナス(ー)、
遠視であればプラス(+)と書いてあります
日本眼科学会のガイドラインでは近視の場合原則6Dまでとし、6D超える矯正は患者への十分なインフォームドコンセントと医学的根拠のもと10Dまでとなっています。ですから、この時点で10Dを超えていて、かつ乱視も存在している場合は、あなたの手術を行ったクリニックはガイドラインに違反しています。その説明は術前にあったでしょうか?
遠視の場合6Dを超える矯正があった場合、あなたの手術を行ったクリニックはガイドラインに違反しています。
・C=Cylinder 乱視度数 マイナス(ー)表記になっていると思います。
レーシックで角膜を削る場合、近視の度数に加えて乱視の度数も更に追加されます。
・AX=Axis 乱視軸
乱視の軸です。直乱視、倒乱視、斜乱視などがあります。
■どれくらいレーシックで削られているかの出し方
既にカルテを取り寄せている人は以下のようにして削られた量を知ることができます。
パキ(520~540μアラウンド)-(フラップ+ベッド)=削られた角膜の量
例えばパキが540μの患者さんの場合、ベッド300ミクロン、フラップ95ミクロンとカルテに記載されていたら
540μ-(300+90)=150ミクロン削られているとわかるわけです。
レーシックでは大体1D矯正するのに12-14μ削る必要があるので、この患者さんは1D の矯正に14μ必要だったとしても、10Dを超えて矯正されていることがわかります。
また、削る目標とされた数値も近視乱視の度数がわかっていればそこから算出することができます。